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アンセル・アダムズ写真集成

さくらんの現在の写真を見て思い浮かべることは誰にもできないだろうけどf^_^;)
じつは最初に大きく影響された写真家はアンセルアダムス氏(日本ではアダムズ氏とも表記することがあり、この写真集成もそう)だったりする。
またこのリンクなどを参照していただければ氏がどのような人か知ることができると思う。

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20世紀を代表するアメリカ人写真家、ヨセミテ国立公園で写されたひたすらに美しい大判写真。
ゾーンシステムを提唱し、有名な写真集団f/64の創設メンバーの一人…など.
まぁ。ひと言ではまとめられないくらい、偉大なネイチャーフォトの大家です(^_^;)

大判カメラで撮影されたそのモノクロプリントを氏の生誕100年展で見たとき強く心を揺さぶられたのを今も覚えています。10年ほど前だったか…時間つぶしではいった大丸ミュージアムでの出会いはとにかく衝撃でした。
モノクロームの世界の一つ一つの諧調や黒の奥行きは心をのみ込んだのです。
まるで、薄いゼラチンの膜を重ねたような…濃紺と、限りなく無限の諧調によるプリントの奥深さ…そういうものに見入って、特に闇に浮き出る木や枯れ木の木目の写真などがとても気になって、ただひたすら眺めていました。
…いまなら出口の即売会場でなにかしら購入したろうけど、とにかくお金もないし、小さな展示場で映画1本分眺めるだけ眺めて後にしました。

そんな氏の写真集成を手にしたのは図書券をもらった事がきっかけ。
写真展後に図書館で氏の写真集は何冊か見ていましたが、オリジナルプリントと印刷された本はあまりに違う。
絵画の場合、絵の具を重ねた盛り上がりや、筆の痕跡。画家と同じポジションで等身大で見る事。これらが印刷された平坦な写真には何も伝わらない、言わばカタログ参考の部類でしかない。写真集も同じであの感動までは伝わらない…
(もっとも、だからこそオリジナルプリントが高額で取引されたりするのどけど)

ちょっと、かなり(笑)長い前振りになってしまったけれどf^_^;)



この写真集成は生誕100周年を記念し、サンフランシスコ近代美術館が出版したもので(日本の出版社は岩波書店)、オリジナルプリントこそ及ばないものの、印画紙のような紙に印刷された豪華仕様になっています。
この特別紙にはもったいない感すらありますが、氏を紹介する文章がじつに40ページ添えられ資料的な意味合いもある一冊になっています。
その大きさもかなりの大型で読むときに(高価なので気をうかう)本を傷めないように読むのが大変だったりします(^^;

写真はヨセミテの渓谷を写した風景写真が半分ほどで、選者の意図もあるでしょうが比較的引いた構図が多く、雄大な風景写真を存分に楽しめる構成になっていました。
ほぼ風景写真ですがインディアンのダンスを捉えた写真、NYを写した写真も若干ありました。
個人的に好きな写真は会場でも見たニューメキシコ州で撮影したアスペンの木。(この本のタイトルの写真です)

森の暗がりに浮かび上がるアスペンの白く細い木の縦+反復構図があまりにも美しく、闇の美しさに魅了されます。
他にも枯れた木の幹を写した作品も好きで。
考えてみれば、闇や枯れた(生を失った)ものを被写体として好むのはこの時にすでにさくらんにあったのかもしれません(^^;

もうすでに歴史上の写真家として写真史に名を残す方ですが、考えてみれば巨大な大判カメラを担いで渓谷や森をあるくなんて途方もなく労力を必要としたでしょう。
ですから装備類が整った今でも氏の様なスタイルで写真を撮る人はそうそうはあらわれないでしょう。
そういう意味では今後見ることができない写真を今も僕たちに見せてくれているのです。

だからカメラの分類上、小型に属する35mmフォーマットのハーフサイズであるフォーサーズを使っての町スナップがメインのさくらんにとっては、真逆な写真家ですが。
上記の理由からさくらんにとって特別な存在なのです。
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by elevensugars | 2011-03-24 20:06 | 日々、雑感。